レーシック手術の失敗による後遺症
医療過誤があった場合、示談交渉を行ったり、訴訟を起こしたりといった法的な解決が考えられます。
特に、リスクを伴う手術においては、当然医療過誤の可能性が高まります。
レーシック手術は、そのような手術の1つであり、手術の失敗によって視力が低下するだけでなく、最悪の場合失明に至るケースも中には存在します。
ここでは、レーシック手術の失敗による後遺症についてご紹介します。
■レーシック手術とは
レーシック手術とは、視力矯正手術の1つです。
角膜にレーザーをあてて削り、角膜のカーブを変えることで、光の屈折率を直し、視力の回復を図るものです。
これによって、近視や遠視、乱視を矯正することが見込めます。
■レーシック手術のリスク
次に、レーシック手術が失敗するとどうなるかについてご説明します。
最も想像しやすいのは、角膜を削る前の状態に戻すことができないということです。
レーザーで角膜を削るという方法が取られるため、当然その削った角膜はもとに戻すことはできません。
そのため、近視の度数が大きい患者の場合、角膜を削りすぎてしまうリスクがあることから、通常レーシックの方法は取られません。
また、レーシック手術による後遺症や合併症が引き起こされるというリスクもあります。
主な症例は、以下の通りです。
・過矯正
レーザーの効果が強く出てしまったり、視力検査に誤差があったりした場合に、矯正しすぎてしまい、近視の患者が遠視に、遠視の患者が近視になってしまうという状態です。
・ドライアイ
術後は、一定期間涙の分泌量が減り、ドライアイになることがあります。
点眼で治らない場合は、涙点プラグによる治療を行うことになります。
・ハローグレア
ハローグレアとは、光の周りにモヤが見えたり、光がまぶしく見える症状のことを指します。
多くの場合は、時間の経つと治りますが、症状が残るような場合には、コンタクトレンズで対処したり、手術で治療したりすることになります。
・角膜混濁
角膜混濁とは、何らかの原因によって、角膜が濁ってしまう症状のことを指します。
症状がひどい場合は、視力が低下することもあります。
・ケラトエクタジア
角膜が変形する合併症です。
主な症状として、近視や乱視がひどくなることで、視力が低下したり、ハローグレアがひどくなったりすることが挙げられます。
これら以外にも、他の合併症や感染症といった、術後の後遺症が存在します。
■レーシック手術で失敗した際の対処法
上記で見てきた通り、レーシック手術にはリスクが伴います。
そのため、医師は患者に後遺症のリスクについての説明責任を果たす義務があります。
そして、そのうえで患者自身が適切な判断を行うことが重要です。
しかし、中には十分な説明がなされず、手術後に後遺症が残るというケースも存在します。
そのような場合、医師が説明を十分に行わなかったことと後遺症に因果関係が認められると、損害賠償を請求できる可能性があります。
そのため、レーシック手術の後遺症でお悩みの方は、弁護士に相談することをおすすめします。
益満法律事務所は、大阪府大阪市を中心に、大阪市、神戸市、京都市、奈良市をはじめ、大阪、兵庫、京都、奈良における医療過誤事件に関するご相談を承っております。
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