誤診が原因で症状悪化|裁判をしたほうがいいケースとは
具合が悪くて病院に行ったのに別の病名を言われ治療を始めるのが遅くなったり、重篤な病状を見落とされてしまったりしたらどうしたらいいのでしょうか。
重い後遺症が残ったり、命を落としたりしてしまったら、裁判を起こすことで病院側の責任を明らかにできるかもしれません。
今回は、誤診が原因で病状が悪化した時、裁判をしたほうがいいケースについて解説します。
医療訴訟は難しい
一般に、医療ミスによる裁判は難しいと言われています。
医療訴訟はその時の病院の環境や臨床医療などさまざまな観点から、その処置が適切であったかを判断することになります。
裁判でそれらを証明するのは大変困難になるため、原告側の訴えが認められて勝訴となるのはごくわずかです。
最高裁判所の「医事関係訴訟に関する統計」によると令和2年の勝訴率は22.2%でした。
医療ミスの裁判の勝訴率が低い理由として、次のような事柄が挙げられます。
医療の知識を持つ弁護士が必要
医療ミスによる裁判の相手となる病院や医師は、医療の専門家になります。そのため、弁護士に医学の知識と理解力がなければ相手に過失を認めさせることができません。
協力してくれる医師が必要
医療の知識を持つ弁護士に依頼した場合でも、弁護士は医療の専門家ではないので、専門家である医師の協力も必要になります。
ちなみに医療過誤の経験豊富な弁護士は、協力関係にある医師がいることがほとんどです。
判決に至らないケースも多い
ミスがあったことが明確な場合は、相手がミスを認めるため裁判の途中で示談になるケースもあり、判決に至らないこともよくあります。
この点も、医療ミス裁判の勝訴率が低い理由と言えます。
裁判をしたほうがいいケース
医療裁判の勝訴率は極めて低いのですが、明らかに誤診と思えるのに相手がそれを認めないような場合、裁判を起こしたくなると思います。
誤診による裁判で勝訴した例は、次のようなものがあります。
- 癌の兆候があったにもかかわらず、長期にわたって経過観察をし、癌と診断された時はすでに手遅れだった
- 誤診による不必要な検査を受けさせられ、その検査が原因で死亡してしまった
- 癌の診断を受けて乳房の全摘出をしたが、術後の病理検査で良性の腫瘍だったことが判明した
いずれの場合も、明らかに医師側に非があると思われる事例になります。
このように、誤診との因果関係が明らかな場合は、裁判をしたほうがいいケースといえるでしょう。
まとめ
今回は誤診が原因の症状悪化した場合に、裁判をしたほうがいいケースについて解説しました。
どのような裁判でも訴えに関する証拠が必要になります。
レントゲンによる見落としなどは、医療の知識がなければ、なかなかそれを立証することは難しくなります。
誤診が原因の症状悪化を疑った場合は、早めに医療裁判専門の弁護士に相談することをおすすめします。
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益満 清輝Kiyoteru Masumitsu
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