【弁護士が解説】病院内での転倒事故|損害賠償請求はできる?
入院中や通院中に病院内で転倒し、骨折などのけがを負うケースがあります。
そのような事故が発生した場合、医療機関に損害賠償を求めることができるどうかは慎重に検討する必要があります。
本記事では、病院内での転倒事故について、損害賠償請求の可否と判断のポイントを解説します。
病院内での転倒事故と法的責任
病院内での転倒事故は、病院側の管理に問題があった場合、病院や担当していた看護師などに次のような責任を追求することができます。
- 病院の安全配慮義務違反
- 看護師など個人に対する損害賠償
患者と医療機関との間には診療契約が成立しており、その内容には安全配慮義務が含まれます。
医療機関がこの義務に違反し、その結果として損害が生じた場合には、損害賠償責任が認められることがあります。
通常は、病院側の管理責任を追求することになりますが、担当していた看護師などの過失が大きい場合には、不法行為を理由として個人に損害賠償請求を行えることもあります。
ただし、転倒事故があったからといって、直ちに病院や看護師の過失となるわけではありません。
安全配慮義務違反の有無と事故との間に相当因果関係があるかどうかが重要な判断要素となります。
患者の年齢や身体状況、入院環境、事故当時の具体的な状況などを踏まえて、個別に判断されます。
病院の過失が問題となるポイント
病院側の過失は、予見可能性と結果回避可能性を中心に判断されます。
すなわち、転倒の危険を事前に予測できたか、適切な措置を講じれば事故を防ぐことができたかが重要なポイントとなります。
たとえば、歩行が不安定な高齢患者に十分な見守りがなされていなかった場合や、ナースコールへの対応が著しく遅れていた場合には、注意義務違反が問題となります。
また患者の転倒歴や医療記録の内容も、予見可能性を基礎づける資料となり得ます。
他方、突発的な患者の行動による事故であり、通常求められる注意を尽くしていたと認められる場合には、病院側の責任が否定されることもあります。
損害賠償の対象となる損害項目
病院の責任が認められた場合には、治療費や入院費のほか、後遺障害が残った場合の逸失利益や慰謝料などが損害賠償の対象となります。
症状が長期化した場合には、将来の介護費用や通院交通費なども請求の対象となり得ます。
請求にあたっては、まず医療機関に対して事実関係の説明を求め、示談交渉を行うのが一般的です。
交渉がまとまらない場合には、訴訟手続に進むこともあります。
まとめ
病院内での転倒事故について損害賠償が認められるかどうかは、安全配慮義務違反と事故との因果関係が認められるかによって判断されます。
事故が発生したという事実のみで直ちに責任が認められるわけではなく、具体的事情を踏まえた検討が必要です。
事故状況の記録や、病院側とのやり取りのメモなど、早期の証拠確保がその後の結論に大きく影響します。
転倒事故や、医療過誤などにお悩みの場合には弁護士に相談してください。
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